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2016年11月26日 (土)

福島小児甲状腺がんの平均潜伏期間は1年7ヶ月!?

 2016年9月26日、第5回福島甲状腺がん国際会議での鈴木眞一・福島県立医大教授のスライドにヒントを得て、福島県県民健康調査検討委員会の甲状腺検査資料から、下記のグラフを作成しました。

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 グラフの横軸は甲状腺検査結果の集計日、縦軸は一次検診受診者10万人当たりの「悪性ないし悪性疑い」人数です

縦軸の値を「(甲状腺がん)発見率」と呼ぶと、発見率は第7回検討委員会まではゼロ、第8回で1.2、第9回で1.7と低いのですが、第10回から13回は直線的に急増し、第16回では35.1に達しています。

日本の小児甲状腺がんは10万人当たり年間0.3人程度なのに、福島で10万人を検査すると、35.1人が甲状腺がんになっている、という異常事態です。

このグラフから、次の3点が分かります。

1.第5回から7回まで、約5万人を超音波検査でスクリーニングしても、甲状腺がんは一人も見つかりませんでした。

2.第10回から13回は直線的に急増しているので、この時期に「発見される大きさ」に次々に成長し始めたと考えられます。この直線を横軸の方に伸ばしてみると、201210月頃までが「潜伏期」と判断されます。原発事故後17ヶ月が小児甲状腺がんの「平均潜伏期間」と思われます(横軸は「集計日」なので、実際はもう少し短いのでしょう)。

3.発見率は最初ゼロで、事故後17ヶ月経ってから急増しているので、甲状腺がんは放射能の影響と考えるのが当然です。スクリーニング効果なら、最初から発見率35.1のはずです。

「福島で多発しているのは、一生放置して構わない潜在がんを見つけているからだ」という意見もあります。福島の小児甲状腺がんは進行が早いので「潜在がん」ではありませんが、例え「潜在がん」だとしても、放射能の影響で増えているわけです。「潜在がん」を持ち出しても、放射能由来を否定することはできないのです。

受診者数が1万人を超えた第5回検討委員会資料から、縦軸の値が最高値を示した第16回までの結果を示しています。原発事故時に高校生だった子どもたちが一番甲状腺がんになりやすいのですが、高校を卒業するとあまり受診しなくなります。2013年度以降は受診率の低下が著しいので、2012年度までの結果を表示しています。第8回は甲状腺がん1名が口頭発表されました。第9回ではC判定1名を「悪性ないし悪性疑い」に加えています。

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コメント

温品惇一様

分かり易い「科学データの視覚化」だと思います。

学会発表を期待致します。

林勝彦

コメごント、ありがとうございます。

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