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2017年3月 9日 (木)

福島甲状腺がんを見つけないようにしている?! 2.20福島検討委員会報告

 2017年2月26日の被ばく懇談会で、2月20日の福島県県民健康調査検討委員会の結果を紹介しました。

 動画はこちら

 資料はこちら 

3巡目検査では甲状腺がんゼロ!?

 2月20日の第26回「検討委員会」までに発表された甲状腺検査結果をまとめるたのが、下の表です。
20170226nukushina_slide23_2

 1巡目では116人、2巡目では69人の「悪性ないし悪性疑い」(=甲状腺がん)が見つかっているのに対し、3巡目ではゼロです。3巡目検査は2016年から始まっていて、1次検査の受診率がまだ約26%とは言え、これは妙です。

 2次検査が終わった人の中で穿刺細胞診を受けた人の割合を調べました。

20170226419

 2014年度実施地域、2015年度実施地域が2巡目です。
 1次検査を受けた人のうち、B判定またはC判定を受けた人(=2次検査対象者)の割合は、1巡目・2巡目では0.8%、3巡目では0.6%とやや低下しています。
 他方、2次検査が終了した人のうち、細胞診を受けた人の割合(細胞診率)は、1巡目26.1%に対し、2014年度実施地域は14.2%に低下、2015年度7.3%とさらに低下。3巡目ではすでに63人の2次検査が終わっているのに、細胞診は誰一人受けていません。63人中、一人も細胞診を指示されていないのです。1巡目検査はもちろん、2014年度実施地域と比べても、これは単なる偶然では説明できません

 2次検査で細胞診をやる基準を上げ、細胞診を実施しないようにしている可能性があります。

甲状腺がんの男女比:インチキ説明

 の表にも見られるように、チェルノブイリ原発事故前に見つかった自然発生(散発性)の小児甲状腺がんでは、男性1に対して女性4.3でしたが、原発事故後の放射線由来の小児甲状腺がんでは、男性1に対し女性は1.8でした。
 男女比は、放射線由来かどうかのメルクマールと言われています。

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 福島の小児甲状腺がんでは、男女比は1巡目検査で1.8、2巡目検査では1.2です。

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 2巡目検査の中でも、2014年度実施地域では男女比が:1.5なのに対し、2015年度実施地域では1:0.7。男女比が逆転しています。
 福島の小児甲状腺がんが放射能由来であることの、有力な証拠ではないでしょうか。
大津留教授・高村検討委員の説明
 男女比の問題はほとんど検討委委員会が開かれる度に問題になってきました。2月20日の検討委員会で初めて説明がありました。
 福島県立医大の大津留教授は、
「甲状腺以外の病気で亡くなった方を解剖して見つかる甲状腺がんでは、男女1:1か、男が多い」
「がん登録データでも思春期前後までは男女比が1:1に近い」
「検診を行うと、一般的には男女比が小さくなるというふうに、科学的には予想されています」などと説明しました。

 高村 昇・検討委員は、「男女比が逆転した2015年度実施地域は、甲状腺がんの平均年齢が低い。平均年齢の違いが性比の違いに効いているのではないか」と述べました。

20170226nukushina_slide222

 大津留教授が述べた「がん登録」のデータでは、上のグラフのように、10代前半でも男女比は大津留教授が述べた1:1ではなく、2.5です。
 年齢が高くなると男女比が大きくなる傾向はありますが、20代後半で男女比3.7ですから、年齢が15歳若くなると男女比が1.2小さくなる程度です。
 高村委員が言及した2014年度実施地域と2015年度実施地域の平均年齢差は1.4歳。比例計算では、平均年齢差による男女比の違いは0.1程度です。
 大津留教授、高村委員の説明は、いずれもインチキ説明でした。

「2巡目検査の甲状腺検査評価部会を設置する」
 星・座長は2月20日の検討委員会で、「2巡目検査結果がまとまってきたので、2巡目検査の甲状腺検査評価部会を設置し、検査結果のまとめ・評価を行う」と述べました(資料7)。 
 現在の部会員に、さらに甲状腺の病気や放射線の健康影響に関する「有識者」を加え、5月~6月頃をメドに開催するとしています。
 清水一雄・部会長は昨年来、放射能影響否定に疑問を呈し、発言しにくい部会長を辞任する意向を表明していました。星・座長は、部会長を選び直すと述べました。

「国際的第三者機関設置を検討している(福島県)」

 前回12月27日の検討委員会で星・座長が突然、「国際的第三者機関」設置を提案しました
 春日委員は2月20日の検討委員会で、「前回突然出てきて驚いた。良く分からなかった」と疑問を表明。前回欠席だった清水修二委員は「第三者機関の結論にこの委員会が拘束されることにならないか」と問いました。

 星・座長は「だから、第三者機関は委員会が求めたのではない。委員会と別に、平行して検討する」とかわしました。
 ところが福島県は「検討委員会の要望に基づき、県として検討を進めている段階。第三者機関は、検討委とは別の独立した機関です。国の協力を得ながら、国際機関とも相談していきたい」と言っています。
温品惇一

  細胞診
あり なし
3巡目 0 63
2014年度実施地域 149 901
 上の2×2表をEpi Info 7に入力すると、P=0.001(両側検定)でした。
 2014年度実施地域と3巡目の細胞診率が同じである確率は0.001なので、二つの細胞診率が異なることは、単なる偶然ではなく、95%水準で有意です。

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