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2017年6月12日 (月)

浪江町避難指示解除区域も6mSv超え。モニタリングポストの線量は半分:6.6報告会

 6月6日夜、文京区・アカデミー茗台・学習室Aで「6.6 浪江町空間線量測定報告会 測った・見た・聞いた」を開催しました。参加者は22名でした。

 当日、準備不足で開始時刻が遅れ、動画再生にも支障を来し、申し訳ありませんでした。

避難指示解除された地域の空間線量、年間6mSv超も
 最初に、「浪江町避難指示解除地域の空間線量」について、温品が報告しました。
 動画はこちら
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 浪江町は今年3月31日、「避難指示解除準備地域(下図水色地域)」と「居住制限地域(同黄色地域)」の避難指示が解除されました。
 浪江町の大部分は山林で、「帰還困難区域(同ピンク色地域)」です。
Photo
  https://goo.gl/dJi7tQ より改変

 避難指示解除された区域の空間線量を堀場製作所の放射線測定器Radiで測定しました。Radiは文科省の「はかるくん」と同等の性能とされています。

Photo_2

 事故前には人口の多かった常磐線浪江駅西側の川添地区の空間線量は6.2mSv/年。 5.2mSv/年を超え、管理区域相当です。

 一般公衆の線量限度は1mSv/年と「原子炉等規制法」などの法令で決まっています。

 1mSv/年を超える地域の人々が避難できるようにするのが、政府の責任です。

フレコンバッグ置き場の不思議

 続いて瀬川さん(高木学校)からの報告です。
  動画はこちら
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 浪江中学校(
川添地区)近くで突然、16mSv/年(1.88µSv/h)もの高線量が測定されました。ちょっとした高台で、眼下には除染された田んぼの先に、広大なフレコンバッグ置き場が広がっていました。
Photo_4
 フレコンバッグ置き場に近づくと、意外や意外、空間線量は下がってきます。
 「立入禁止」の表示もないようなので中に入ってみると、1mSv/年程度です。
Photo_5
 環境省のガイドラインでは、下図のように、まず「汚染されていない土壌」を入れたバッグを並べ、囲われた空間に「除去土壌」を並べます。何段も重ねたあと、上にまた「汚染されていない土壌」を盛り、遮蔽することにしています。
Photo_2

                            「除染関係ガイドライン 第4編(環境省)」より 

Photo_3

 
 フレコンバッグをどんどん積んでいる段階では、横方向への放射線は遮蔽されていますが、斜め上方向~真上方向には遮蔽がありません。遠く離れた高台で、16ミリ/年にも達することになるのです。
測定の後ろから撮った写真と会った人
 3番目の報告は O.ちゑ さんです。
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 人がほとんど帰っていない町、家屋が解体撤去されたことを示す立て札、モニタリングポストの異様に低い値、帰還されたごく少数の方のお話など、紹介していただきました。

Photo_7
 
福島の被災農家と農業はどうなるのか
 4人目は小川昌之さんの問題提起です。
 動画はこちら
 資料はこちら

 
肥沃な層を除染ではぎ取られた農地、汚染された水源ダム、農業をあきらめる農民たち・・・。福島の、日本の農業はこれからどうなるのか?
 一緒に考えてみてください。
浪江空間線量測定の動画
 浪江町空間線量測定を終始撮影した映像班が、動画の一部を編集・再生してくれました。
モニタリングポストの線量は異常に低い
 
質問時間の冒頭、モニタリングポストについて、温品から報告しました。
 浪江町を歩きながら空間線量を測定している間に、9つのモニタリングポストを見かけました。その空間線量をRadiの値と比較してみると、とんでもないことが分かりました。

Photo_8
 上の図にあるように、モニタリングポストには2種類あります。
 上図左のリアルタイム型は地面に直接固定されています。表示される空間線量は、聖テモテ幼稚園のものを除いて、Radiの値の0.74~0.85、平均0.79でした。
 
 他方、上図右側の可搬型は、四隅のコンクリートブロックの上に鉄板を敷き、その上に放射線検出器が置かれ、通常、周囲を金網で囲われています。その表示値は、Radiの値の0.51~0.53,平均0.51でした。
 
Photo_9
 可搬型モニタリングポストの中に、金網で囲われていないものがあったので、なぜ空間線量が半分に表示されるのか、調べてみました。
 モニタリングポストから少し離れた場所でRadiで測った空間線量を1とすると、モニタリングポストの放射線検出部の位置では、Radiの値は0.76になりました。四隅のコンクリートブロック、測定器の下の鉄板とその下の構造物などにより、測定器の下からの放射線が遮蔽されていると思われます。
 モニタリングポストが表示する空間線量は、Radiの値の半分です。下からの放射線を遮蔽して4分の3になった線量を、さらに3分の2にして表示すると、3/4×2/3=1/2になります。可搬型モニタリングポストは、2段階で半分の空間線量を表示する仕組みになっているようです。
文責:温品惇一

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