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2018年11月

2018年11月28日 (水)

11.25 被ばく学習会「著者が語る”地図から消される街”の今」(青木美希さん)の報告

 11月25日の第47回被ばく学習会は「地図から消される街」の著者で朝日新聞記者の青木美希さんを講師にお迎えしました。参加者81名で、文京区・男女平等センター・研修室Aは満員の盛況でした。

Photo  最初に、温品惇一から、『放射線のホント』は「放射能は安全」とウソ宣伝するパンフであり、文科省の放射線副読本にもその内容が盛り込まれている現在、放置できないので、『放射線のホント』廃刊を求める1万人署名と国会追及で廃刊を勝ち取ろう!と呼びかけました。

  スライド資料はこちら

 動画はこちら

 1万人署名・国会追及を呼びかけるチラシ

  PDFこちら

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 <「放射能は安全」とウソ宣伝>

 復興庁パンフ『放射線のホント』は放射能の怖さを伝えず、逆に”放射能は怖くない”と宣伝しています。そのポイントが10ヶ条の「放射能安全」教育ウソ宣伝で、「(避難指示が解除された区域に)戻った人々にも日常の暮らしが戻りつつあります」が結論です。子どもたちや若い人々が戻れない福島の人々の苦悩を無視したウソ宣伝です。

<文科省の放射線副読本にも波及!>

2018年10月には文科省の放射線副読本が改訂され、10ヶ条のウソ宣伝が盛り込まれました。子どもたちがピンチです。

<「安全」教育が放射能への警戒を解除>

こうした「放射能安全」教育がはびこると、放射能から身を守らない人々が多くなります。特に、放射能感受性の高い子どもが学校で教え込まれたら、深刻な影響を受けます。

<賠償拒否・再稼働促進の世論誘導>

 ”福島原発事故で住民の健康被害は起こらなかったし、今後も起きない”というのが『放射線のホント』の主張です。東電・国は賠償する必要がないし、原発再稼働も問題ない、という世論誘導が強まります。

<1万人署名をバックに国会追及を!>

 こんな危険なパンフを放置するわけにはいきません。『放射線のホント』廃刊を求める1万人署名を3月末までに達成しましょう! 
 衆参の国会議員にお願いして国会追及でウソ宣伝を満天下に明らかにし、廃刊を勝ち取りましょう!

  2018年11月25日
放射線被ばくを学習する会
http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/
anti-hibaku@ab.auone-net.jp
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 『放射線のホント』批判パンフ

 PDFはこちら (ダウンロードして印刷すると小冊子になります)

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 チラシ「もっと知りたい ホントは危ない放射線 ホントに怖い放射能 わかっていること 10のポイント」

 PDFはこちら

20181125segawa  

4  続いて、栗原裕司・署名実行委員長から、署名の集め方のノウハウについて説明し、ご協力をお願いしました。参加者のお一人が署名実行委員になってくださいました。

 資料はこちら

 動画はこちら

Photo_2  次に青木美希さんから、「筆者が語る”地図から消される街”の今」についてお話いただきました。青木さんのお話については録音・録画・撮影できませんので、以下に当日の配付資料を掲載します。資料ダウンロードはこちら

     

2018年11月25日

「筆者が語る『地図から消される街』の今」
朝日新聞社会部 青木美希

  1997年、北海タイムスに入社、基本給12万8千円→休刊。

 98年9月に北海道新聞入社。旭川と札幌で勤務。北海道警裏金問題を手がける。

 2010年9月に朝日新聞に入社し、東日本大震災では翌日から現場入りして取材。原発事故検証企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道を手がける。取材班はそれぞれ新聞協会賞を受賞した。

 近著「地図から消される街」(講談社現代新書)は2018年貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞を受賞。

  なぜいま福島か。何が起こっているのか。無関心が生み出す被害、打ち切られていく支援。

●住宅提供打ち切り

  7年たち、「終わったこと」に。

 避難指示区域がでなかった地域と2014年に解除された田村市、川内村の一部の住宅提供が昨春打ち切り。1万2千世帯以上。

 今年3月には楢葉町、来年3月には飯舘村や南相馬市などと打ち切り対象が段階的に広がり、再来年3月には帰還困難区域700世帯を含めた打ち切りが決まった。

 生活困窮に陥っている方々がいる。東京都の調査では、打ち切り後も都内に残った世帯は7割近く。その3割近くが世帯月収10万円未満。「生活が維持できるのか不安だらけ」、「家族が多く、生活資金が不安」との声が上がる。

 最近の調査でも世帯収入の最多は「100万円未満」で22%。次が「200~300万円未満」で21%。都内の家賃は福島の3倍。

●避難者うつ

 福島県の調査では、県外避難者のうつ、不安障害の傾向が高い人は9・7%と全国平均(3%)の3倍以上だった。

 分析した県立医大の前田正治教授「震災から時間がたち、声が上げられない一方で、支援が縮小していく。

 二極化が起きている。飲酒や自殺が心配」→震災関連自殺は2016年22人、2017年26人と増加。2017年には新潟の中学生が、東京の54歳の母親が自殺。2018年4月にも年金生活者と無職の男性計3人が自殺。7月にも20代の男性。計215人。

●大学生の夢が

 福島県から避難してきた18歳男性は、避難して被災者減額制度で東京都内の大学に入学した。教師になるのが夢だった。喫茶店や塾の先生、家庭教師のアルバイトを掛け持ちして年41万円の学費と家族の生活費を稼いだ。

 ところが在学中の2016年2月に突然、大学から通知が来た。「発災から5年が経過し、国の施策や本学の諸事情に鑑みまして、今年度をもって終了することとなりました。皆様の残りの大学生活が有意義で充実したものとなるよう、心よりお祈り申し上げます」

 全額を払うのは難しく、中退をせざるを得なかった。教師になる夢は断たれた。大学側は私の取材に「原発事故から時間がたち、ほかの大学も制度を終了していると思う。うちはまだ長い方だったんだ」

 そこに2017年3月末で避難先住宅提供の打ち切り。「住宅を追い出さないで」という声も聞き入れられず、避難してきた12000世帯以上が避難住宅の無償提供が打ち切られる。

 一緒に避難してきた祖父は亡くなり、祖母も脳卒中で倒れた。自分がどうなるかについて怯え、振り回されている。

●避難者いじめ

 福島から都内に避難している母親が中学生の子どものかばんをあけると、中から詰め込まれたお菓子やペットボトルのごみがあふれ出てきた。子どもが同級生におごらされ、ごみの持ち帰りまでさせられていた。

 教育委員会では統括指導主事が取材対応。「子どもに虚言癖があって、PTSDの関係で医者にかかっている」、「いじめは一件もない」→校長は「おごってよ、と言われておごった事実はある」

●汚染土が全国に

 福島県内の汚染土は最大2200万立方メートル。10トントラック約370万台分。

 政府は「最大で約99.8%は再利用できる」という試算を公表し、再利用先は全国の公共事業(道路の盛り土や農地(園芸、資源作物)などと。

 原子炉等規制法は、廃棄物の再利用基準を1キロ当たり100ベクレル以下と定めているが、この再利用には同8000ベクレル以下の汚染土を使用。土砂やアスファルトで覆うなどの対策を講じて、住民や作業員の追加被曝線量が年1ミリシーベルトを超えないようにするとした。

 環境省「除染のため取り除いた土を安全な方法で使うことができるとして、自治体などに『使わないか』と持ち掛けていくことになります。(使う側のメリットは)土が無料で手に入ることではないでしょうか。(事業によっては)2億円ぐらいの節約になる場合もあるのでは」(「Yahoo!」「汚染土」で検索。「住宅街や東京五輪会場近くにも 原発事故に伴う『指定廃棄物』処理の行方見えず」)

 質疑応答の後、次回の12.15ミニ学習会のご案内をして、被ばく学習会を終了しました。ご協力、ありがとうございました。

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(文責:温品惇一)

2018年11月 1日 (木)

高野 徹 氏の「過剰診断」論、甲状腺検査評価部会で論破さる!

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 10月29日、第11回「甲状腺検査評価部会」が開かれました。甲状腺がんの「過剰診断」論に基づき、「甲状腺検査には何のメリットもない」、「学校での甲状腺検査には倫理的問題がある」などと主張してきた高野 徹委員に対し、鈴木 元・座長や各委員から批判の声が集中、高野氏は完全に論破されました。

 放射線被ばくを学習する会は4月2日、高野 徹氏への公開質問状を提出しました。高野氏からは未だに回答はありませんが、29日、高野氏は座長・委員の指摘に反論できず、あまつさえ、故意かミスか分かりませんが、誤った論文紹介をしていたことまで座長に指摘されました。

 公開質問状の正しさが証明されたと言えるでしょう。

 私たちはまた8月25日、福島「県民健康調査」検討委員会、同「甲状腺検査評価部会」に対し、甲状腺がん多発の原因を究明するよう求める申入書を送りました。鈴木元・座長は29日、高野氏の過剰診断・検査有害論は退けましたが、多発の原因については不鮮明です。

 以下に10.29「甲状腺検査評価部会」での議論の一部を要約してご紹介します。

 第2の議題「甲状腺検査対象者への説明・同意」はそもそも高野氏が言い出した問題です。

 29日の審議では資料2 を巡って議論されました。

Photo 座長(鈴木 元) それでは議事の2、甲状腺検査対象者への説明・同意について。

高野委員、いかがでしょうか?

高野 超音波検査をした場合、しなかった場合で、それぞれ、これだけの対象者に利益があります、これだけの対象者にこれだけの不利益があります(というのを)数字で出して、それを比較検討することが重要な責務ではないか。

座長 資料2に、チェルノブイリの手術にくらべて福島の手術では副作用が少ないということが書いてある。

高野 早く見つけた方が予後がいいという数字じゃなくて、超音波検査のがん検診としての有効性の話になると思う。受けた場合、受けなかった場合の差がどうなるか。

Photo 吉田 甲状腺がんは非常に予後がいい。(検診による予後改善効果は)非常にわずかな差しか出てこないが、(甲状腺がんが)見つかった当人にとっては、非常に大きな意味を持っている。高野委員の言うようなやり方だと、何をやっているのか、良く分からないことになってしまうのではないか。

座長 高野先生と私自身、少し立場が違ってて、議論がかみあってない。

スクリーニングの有効性があるかどうかという議論でいうと、一般にはがん検診の有効性は死亡率をどのくらい下げられるかというようなところで議論していくわけですが、今、この甲状腺プログラム、死亡率を下げようという立場で始まったプログラムではない。

Photo_2 南谷 125例の手術中、4割くらいに甲状腺外浸潤がある。手術したものにメリットがない、というのはどうなのかなと感じます。

Photo_3 片野田 過剰診断の話が出たが、過剰診断の割合は実データとしては決して出せないので、欧米でもシミュレーションの結果として過剰診断の割合を出したりしている。

吉田 死亡率を利益の第一に考えておられると思うが、甲状腺ではQOLを上げることが大きい。40%に甲状腺外浸潤があるところを、早期に超音波で発見して治療にもっていくのは、非常に大きい。

Photo_4 祖父江 仮に放置されていたら、どのような結末になっていたのか?を想定して、どのようなメリットがあるかを記述することはできるかも知れない。

吉田 そのまま放置したら、第1に気管の出血が起こります。出血による窒息死が起こりますし、頚部大動脈・大静脈に浸潤して大出血を起こす。そういうのをわれわれは具体的に経験しています。それが何年先に起こるかというのは、腫瘍の浸潤の速度によって違ってくる。

1 高野 放射線の影響は少ないと県も言っているのに、甲状腺がんは多い。これをどう説明するのか。

座長 論点がちょっとずれてる(会場、大笑い)。小さいがんをたくさん見つけていることで説明はついている*。小さいがんを見つけることがメリットかデメリットか、(議論しているので)ちょっと論点がずれてくる。小さいがんのうちに見つけた方が手術侵襲は少ないし、QOLがいい。甲状腺ホルモンも飲まなくてすむ。そういうメリットがあることは書き込める。

*当日の志村氏の発言5ミリから10ミリ程度の小さい結節の発見率が、1巡目の先行検査では地域差があるのではないか。その先行検査の結果が本格検査(検査2回目)の発見率やB判定の方の先行B判定の率に影響しているという風に考えるべきではないかと考えられます」を指すのかも知れないが、意味不明です。

Photo_5 加藤(伊藤病院) 過剰診断がアメリカや韓国で問題になっているが、手術の仕方も日本とは大きく違うので、(過剰診断と言う言葉は)注意して使った方が良い。

過剰診断と言うと初めからもう、患者さんにとっては大問題なので、その言葉を使うことがよくない。

吉田 小さい甲状腺がんを手術した方がいいかどうか、私が医者になった40年くらい前から議論してきた。初めの20年間は、何だかんだ言っても「がん」なんだから、ということで手術してきた。ところが今から20年くらい前から、ポチポチと、手術をしないで様子を見よう、特に1センチ以下の微小がんをどう扱うか、隈(くま)病院と癌研で先行的に、3ミリ以上(大きく)なったら手術しましょうとか、細かいことを決めて、半年~1年に1回フォローアップする。積極的にフォローアップするのをアクティブ・サーベイランス(温品注:経過観察)と言って、いま微小がんの扱いについてそうやって見ていく施設が多くなっている。それを福島でも取り入れて、すぐに手術をする必要のないものは手術しない、アクティブ・サーベイランスのような格好で医大の方で見ているんだろうと、私は思っております。

高野 子どもの場合、がんと診断されることが大きなデメリットになる。

祖父江 提案なんですけど、文書の案を作った上で議論した方が良い。

<「学校検診」について>

資料3-1 なぜ学校で甲状腺検診するようになったのか

座長 合意の取れた人だけが(甲状腺検査を)受ける形になっているし、受診率が100%というわけではなく、受診しない人たちもいる。

高野・祖父江 資料3-2 問題点と改善案の説明  

Photo_10 高野 1 ①検査体制の問題点 強制性があってはいけないのが大原則。授業の合間に検査が実施されており、検査拒否の意思を示しにくいので強制性を持つ。検査を受けない子は教室でポツンと残っている。放課後あるいは休日に限定して検査するべき。

②学校で検査を実施していることで、対象者に健康改善を目的とした他の健康診断と同様な検査であると誤解される可能性がある。

2番目は検査方法の問題点。検査の対象者に対する有害性を低減するための検討をすべきである。別紙に参考文献。JAMA(米国医学会雑誌)のタスクフォースの論文では、利益不利益のバランスの上で超音波検査は問題だろう、と。がんの治療等に伴い頭頸部に大量に被ばくした症例のフォローに関する今出ているガイドラインでは、③の5、三つの団体のガイドラインがいずれも超音波ではなく触診を推奨している。アメリカ甲状腺学会のガイドラインでは、まず診察すべきで、異常があったら画像診断。このような国際的背景もあり、最初から超音波をするのではなくて、触診をした上で超音波検査の必要性を判断する。過剰診断を減らすためには超音波検査の回数を減らすしかないので、対象年齢の制限、実施頻度を下げることを提言。

Photo_11 座長 事前に意思表示してもらった上で検査しているので、強制性は高野先生の危惧しすぎと思っている。

②の検査方法の問題点の方は、高野先生、文献の読み方、少しバイアスがかかっている。非常に不安に思ってます(会場:笑)。まず子どもに関するガイドラインはJAMA(米国医学会雑誌)じゃなくてThyroid(米国甲状腺学会誌)の方。この勧告が書かれた段階(2015年)での文献調査では積極的支持も積極的反対もできないというのが、この勧告。実はこの後の勧告として、高野さん引用文献の3つ目、Cancer Treatment Reviews、クレメント論文の中では、超音波を使った場合の利益とリスクをしっかり説明して、本人と医者が話し合った上で、ちゃんと超音波を使いましょうというような勧告になっている。

(高野)先生があげた所は、まずこれまでどうだったかという、一番最初の文献リサーチしたところのもの。実際の勧告の内容はそういう(上述のような)内容。決して、国際学会が超音波じゃなくて触診でやろうと子どもに対して積極的に勧めているわけではない。特に、小さいがんで、手術しないでアクティブ・サーベイランスの対象でいいのかというのを判断するのは、触診ではできない。

Photo_12 南谷 私が住んでいる千葉県柏市はホットスポットがたくさんあり、医療団体が甲状腺検査とかしている。市町村がその検診費用を半分負担するとかしていて、大阪と千葉と、放射線に対する受け止めが違う。千葉県の人は福島県から離れているけど、気にしている人はかなり多い。最初の政府の発表をみんな信じなかった。隠蔽してるんじゃないかと、そういうことから始まっているから、想定外の甲状腺がんが見つかったということで検査体制を縮小すると、また何かいろいろ言われるような気がします。

祖父江 触診を選択肢として加えたらどうか

吉田 甲状腺の触診はほとんど分からないです

南谷 甲状腺専門でない医者が触って、甲状腺や結節が分かるとはとても思えない。超音波でないと客観性は保てない。

座長 5センチとか大きいのは、見つかれば一般的に両側の甲状腺摘出、広い(リンパ節)郭清。(欧米では)アイソトープ治療も。そういうものを前提にした触診法。日本では早期発見でなるべく手術野の少ない治療を選択しよう、なるべくQOLを残したものにしようとしており、触診法では無理。

高野 もしも超音波検査が有益なもので、無症状の若年者にあてていいものなら、もっと世界的に広まっているはずです。

吉田 超音波は日本で異常に早くから発達し、欧米は日本に引っ張られてやった。その影響がかなりあるだろう。超音波検査そのものが悪いのではなく、もし悪いとしたら、見つけたがんをどう取り扱うかという方法の部分で、みんな手術してしまう韓国のようなことが悪い。アクティブ・サーベイランスなどいろいろ解決案があるので、その精度を高めようという努力をする方が正しいのではないか。(高野氏、二、三度頷く)

Photo_6 加藤 高野委員や祖父江委員の意見は、一般的な甲状腺がんのスクリーニングと、福島の原発事故後の調査を一緒にして扱っているところが、どうかなと思う。子どもの甲状腺がんは特殊です。フォローアップとかそういうものは、非常に限られておりまして、JAMA(米国医学会雑誌)とかいろんなものは大人の甲状腺がんに対してのものなので、それと分けて考えていいんじゃないかと思います。

座長 小児甲状腺がんはステージが早いほど再発率が低いというようなデータが少し出てきたくらいで、非常に大規模な調査で早期診断がどの程度のメリットがあるのか、というのは、エビデンスの蓄積がまだ足りない。そのへんが超音波を使うことに対して積極的に反対もしないし、賛成もしないという中立的な推奨になってたというところだろうと思います。現実に今、福島では超音波を使った検診を続けて、いろんなエビデンスが集まってきている。

議論はなかなか収束しない。立場の違いは残るんだろうと思います。そういう意味ではインフォームドコンセント、同意書をとるときに、早期診断のメリット、デメリットと同じ話になるんだろうと思いますが、それをきっちり書き込んだ物を作る、というような形になるのかと思います。あくまで、それを受けるかどうか判断するのは親御さんと子どもさんが判断するので、それに対して十分説明を尽くすと。早期発見された場合の、アクティブ・サーベイランスという考えも出されましたが、いま、医者の側ではそういうようなことをスタンダードとして考えながら、皆さんをフォローしていきますというようなことを書き込むのかと思っています。その辺をこの次までに、文章にまとめて準備していきたいと思っています。そんなところでいかがでしょうか。

高野 この資料はわれわれ、もともと倫理問題として出している。特に学校検診に関しては福島県立医大の倫理委員会で検討していただく必要がある。

座長 今の研究計画書は倫理委員会にかかってて、その中に検診の体制も含まれているのではないかと思いますが?

安村 鈴木先生の仰られたとおりです。

高野 それは県が開始当初の検査ですか?

安村 そのとおりです。

高野 学校検診はその後で始まったのではないでしょうか?

安村 このやりかたで審査され、承認されています。

Photo_7 高野 了解しました。

祖父江 16歳以上の未成年の同意書の取り方に関しては、どうですか? 倫理審査でこのやり方で認められてるんですか?

志村 現在、二次検査に対しては16歳以上は本人の同意も得ていく方針。一次検査は20歳以上で本人の同意、20歳未満は保護者の同意という書式で承認はいただいています。指針も段々移り変わっておりますので、今回の議論を踏まえて、書式を見直したり、もう一回修正申請をすることになると思いますので、その時一緒に検討させていただきます。

高野 今思い出したが、??検査の実施に関する提案についての審査は行われているんでしょうか?

志村 同意書は移り変わりがありますので、その都度、修正申請をしています。

2 座長 高野委員、いま同意書の文面を変えて、その中に甲状腺検査のメリット、デメリットもきっちり書き込んだものが出てきて、それが再度倫理委員会にかかると私は理解しているので、高野先生の懸念はその段階で解消されるのではないかと思います。

座長 今日はかなり突っ込んだ議論がされました。必ずしもこの部会の中で、ハーモナイズされるというのは期待しておりません。いろんな意見があるというのを、県民の皆さんにも伝えた上で、検査を受けてもらう体制を作っていくことが大切だと思っておりますので、ぜひこの次までに具体的な文面として今の検査のメリット・デメリット、その辺を分かりやすく書いたもの、それで足りないのであれば付属のパンフレットも使う形で準備を進めていきたい。

これで終わりにしたいと思います。

以上、文責:温品惇一

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