« 6.28 ネット談話会「一時帰国中の松田青子さんが語る スウェーデンの原発・コロナ事情」を開催します | トップページ | 7月11日、第4回ネット学習会「鈴木・山下法廷証言とその意味あい」を開催しました »

2020年6月30日 (火)

6.28 ネット談話会「一時帰国中の松田青子さんが語る スウェーデンの原発・コロナ事情」を開催しました

Daji2

 Photo_20200629155801

 6月28日午後、31名の参加でネット談話会を開催しました。

 動画はこちら

 松田さんのプロフィールと、お話の概要はこちら

 資料PDFはこちら

 以下、松田さんのお話の概略を紹介します(主語は基本的に松田さんです)。

 

 原発

Swgenpatu

 スウェーデンには3か所、7基の原発がある。

 デンマークに近いバッシュベルク原発は、デンマークの反対もあって早くに廃炉になった。

 松田さんがお住まいの北部(シェレフテオ市)では、水力と風力発電で足りているが、

 2011年10月、対岸のフィンランドにハンヒビキ原発建設計画が決定された。

 「フクシマのあとで、今からやるの?」という感じ。

 即座に、反対する市民グループ「原発なきボスニア湾の会」が結成され、活動開始。

 まだフィンランドで審査中だが、フィンランドでは原発に対する懸念がほとんどない。

 20200628matsuda6

 チェルノブイリ原発事故のあと、スウェーデンなどに大量の雨が降り、放射性セシウムが沈着した。当時その測定をした研究者からいただいた資料によると、放射性セシウムは地衣類に取り込まれ、地衣類を食べるトナカイ、その肉を食べるサーメの人々が汚染された。ホールボディカウンターで193,000ベクレルが検出された人もいたという。その研究者は今年3月、68歳で亡くなっていた。

 Kokuminntouhyou

 1980年の国民投票でスウェーデンは30年後の2010年までに原発を全機廃炉にすることを決めたが、ズルズル使っている内に原発が定着、議会は2010年、原発の新規建設可を決めた。

 Saieneh

 発送電分離・電力自由化が進んでいるので、政府は原発に援助はしない。

 原発は電力の価格競争にさらされている。風力の方が安い。

 今、風力発電が急増中。太陽光発電も増加中(年間発電可能量は中部欧州より多い?)。

 日本では、まだ発送電分離もできていない。

 

新型コロナ対策

  Toukeih2

  詳細は動画で  最新のデータはこちら 

   スウェーデンの人口は約1,000万人です。

 3月半ばに「これはもうまん延する」と分かった時点で、PCRの能力が十分にないと分かって、軽症者には行われないことになりました。自宅で療養する人は、確証は持てなくても「コロナ以外には考えられない」ということで自宅療養。入院する人だけは調べられる。あとは病院や介護の職員がPCRを使うということが行われていました。

 これに対して国の内外から批判があったが、「やりたくてもできなかった」。検体を取る綿棒がなくなったり、患者対応に目一杯で病院職員が足りない状態だった。

 6月下旬頃からようやくPCR検査が増えて感染者数も増えた。これからは検査で感染者を見つけて、追跡する方向に変わると理解している。

Tisakuh

  スウェーデン政府は1月31日に、日本で言えば「指定感染症」と指定したが、「スウェーデン国内で感染拡大の可能性は低い」と判断していた。

 東京が武漢になるのではないかと心配していたら、ヨーロッパがひどくなった。北イタリアで感染が広がって、それがあまり知られないうちに、アルプスのスキーリゾートに広がっていた。オーストリアのチロルなどスキー・リゾートにも広がっていて、スウェーデンに大量に輸入された。

 3月中旬には「もう感染者(クラスター)を追い切れない」という状況に。PCRも限定的に。「高齢者に感染させない」という指示は出ていたが、守られていなかった。高齢者の自己隔離、孫も訪問しない、友だちとも行き来しない、買い物の代わりに宅配、できるだけ在宅勤務、500人以上の集会禁止、高校・大学は遠隔授業、保育園・小中学校は継続、不要不急の旅行はしない。 

 スウェーデンはロックダウンしてないことが有名になっている。商店はそのまま開かれていて、ショッピングモールや商店は、感染リスクが上がれば閉鎖を命じ得る状況ではあるが、特に命令はされないで、レストランやバーはお客の間の間隔を取るようにという規則が適用された。4月初めの復活祭休暇の頃は、北部にスキー旅行に行くのを自粛すべきと。大きなスキー場は停止した。

 3月末、首相「国家の危機」演説。国民に受け入れられ、与野党とも「一致団結して危機を乗り越えよう」。

 

 Svt1

スウェーデン・テレビ(ほぼ日本のNHK-TV)のドキュメンタリーはこちら

 5月までの病院などのドキュメント。老人ホームでマスク、フェイスシールドなどが不足、感染拡大の一因に。大きな工場は軒並み閉鎖。職員の疲弊。「野戦病院」建設。人工呼吸器から回復してもリハビリに半年かかる。

System

 スウェーデンでは、病院は社会保険庁の下、Kommuner(県)の管轄、老人保健施設などは国民健康庁の下、Regioner(市町村)の管轄。

 国民健康庁、国家疫学者・テグネル氏らが毎日記者会見。会見動画はこちら

 Teguneru

 その日の各国の状況、感染者数、死者数などを説明。最近、感染者が増えているのは検査を増やしているからで、増えているのは軽症者。重症者は減少傾向。夏休みになるので、症状を感じたら必ず家にいるとか、密を避ける、手洗いなど。リスクグル-プは特に慎重に行動。病院のキャパシティを超えないように抑える。公共交通機関の運転手、接客業に感染が多い。地域の感染症対策は各Regioner(県)に置かれている「感染症予防医」が決める。

T

 テグネル氏は「厳しい措置は長続きしないから」と言っているが、ゆるい措置でも長続きしないことが分かった(松田さん)。

Koreisya

 非正規職員が風邪をひいて休むと給与が支給されない事態を改善する必要がある。

Nenreibetu

 高齢の感染者が減ってきた。

 

Syuudannmeneki

 写真は歴代の国家疫学者。2代前(中央)がギーセック氏。彼がけっこう出っ張ってきてた。メディアにも露出してたし、非常にクラシックな感染症対策で、「ある程度いけば集団免疫を持てるだろう」という予測を明らかに持っていた。先代のアニカ・リンデさんはずっと沈黙を守ってて、5月末になって「集団免疫を獲得できるという考えは間違っていた」と言い出した。それと平行して「ゆるい統制をしたことが他の北欧三国に比べて死者がダントツに多いことにつながった」。

 集団免疫論が若者を引きつけた。

Houdou

Frau

 https://www.svtplay.se/video/26098676/helgstudion/helgstud (1時間45分10秒頃)
 公園で密になって遊んで、責任ある行動だと思うの?と聞かれた若い女性が「多かれ少なかれ、コロナに感染することは避けられないんだから、リスクグループだけは感染させないように気をつけるけれども、集団免疫がわれわれの進む道だ」と答えた。この映像が、繰り返し繰り返し、テレビで流された。

「集団免疫」論が政策として実行された訳ではないが、国民の間では受け入れられてしまった。

 最後に、松田さんからの問題提起がありました。

Toi1h

Toi2h Toi2h

Toi3h

Toi4h

質疑応答動画をご覧ください。

(文責:温品惇一)

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

« 6.28 ネット談話会「一時帰国中の松田青子さんが語る スウェーデンの原発・コロナ事情」を開催します | トップページ | 7月11日、第4回ネット学習会「鈴木・山下法廷証言とその意味あい」を開催しました »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 6.28 ネット談話会「一時帰国中の松田青子さんが語る スウェーデンの原発・コロナ事情」を開催します | トップページ | 7月11日、第4回ネット学習会「鈴木・山下法廷証言とその意味あい」を開催しました »

無料ブログはココログ