2.27 林 衛さん学習会の報告
最初に、林さんから「津波予見性を無視した東電・政府の罪
ー原発事故を招いただけではないー」と題して、以下のような、衝撃的なお話しを伺いました。
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宮城県石巻市立大川小学校の生徒・教職員が津波の犠牲になった背景には、
繰り返されてきた巨大津波の情報が住民に伝えられないままになっていた(むしろ隠されていたといってもよい)事実がありました。
たとえば、宮城県の津波シミュレーションも隠されてしまいました。
林さんが宮城県庁で聞き取り調査した結果、「宮城県内ではそれほど高くないが、
福島県では高い津波のシミュレーションが得られたが、資料には掲載しなかった(2010年)」ことが明らかになりました。日本政府や宮城県庁、関係する東北大研究室のどこかで、福島原発を稼働させていた東電への忖度が働いたのではないでしょうか。
2011年2月、津波が堤防を越える事態を心配した大川小学校長の質問に対し、
石巻市の担当者は「計算上、津波は越してこないことになっている」と回答。
311の2日前に起きた宮城県沖地震は東日本大地震の前震でしたが、翌朝の新聞ではガス抜き効果で大地震の可能性が小さくなったとの東北大研究者のコメントが報じられました。
その宮城県沖地震が起きた3月9日の、地震本部による記者発表が実現していれば、3月10日朝刊には「石巻平野、仙台平野の内陸深くに達した貞観地震(869年)タイプの繰り返しが対策にとりいれられる」と報道されたことでしょう。しかしその記者会見は、電力の横やりで中止されました。
かくして津波警戒心が何重にも解除される中で、大川小学校の悲劇が引き起こされました。
それら証拠資料も掲載してあります。死者・行方不明者はおよそ2万人に拡大してしまいました。過去の地震津波の事実が共有されていたら、どれだけの方が迷うことなく避難できたのでしょうか。
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<林さんの動画>はこちら
<資料一覧>
大川小訴訟判決確定 -被災原因はどこまで明らかになったのか-
なぜ宮城県は二度の巨大歴史津波(869 貞観、1611慶長)を対象から外してしまったのか
「東電原発事故10年で明らかになったこと」 添田孝史著 平凡社新書(2021.2)
休憩の後、続いて髙碕朋子さん(学校事故事件を語る会)から、
「311から10年 子どもの命を守る学校の責任は重い」と題してお話しいただきました。
ご自身のつらい体験を踏まえた貴重なお話を伺いました。
<髙碕さんの動画>はこちら
<髙碕さん資料>はこちら
その後、時間いっぱいまで活発な質疑応答が続きました。
<質疑応答の動画>はこちら
次回は3月25日、元双葉町長の井戸川克隆さんに、
「集団幻覚 行政過誤によるサギ ウソは犯罪」と題してお話しいただきます。
申込みサイトはこちら
(文責:温品惇一)
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