4.15 立石雅昭さんのオンライン被ばく学習会 能登半島地震の警告ー柏崎刈羽原発の耐震性ー、Zoom動画と資料です
4月15日の被ばく学習会は最多時171名の参加で大盛況でした。
ご協力いただき、まことにありがとうございます動きに
学習会では、まず新潟大学名誉教授の立石雅昭さんに能登半島地震の警告についてお話しいただき、休憩後、志賀、伊方、女川の各原発差止訴訟原告から最近の動きについてお話しいただきました。
学習会動画はこちら
スライド資料はこちらからダウンロードできます。
<立石さんのお話>
左側の図は地球上におけるプレートの境界に沿って発生する地震です。環太平洋地域、特に北西太平洋の部分に地震が多い。
プレート境界には以下の3つのパターンがあります。
「プレートテクトニクス入門」(BLUE BACKS) 50頁より
プレート同士が離れていく、すなわち発散するタイプのものと、収束するタイプですね。日本列島の周辺はこの収束する、特に海のプレートと陸のプレートとの境界にあって、そこで海の方のプレートが陸のプレートの下に沈み込み、離れていくところです。
これは太平洋の中央海嶺と呼ばれているところですね。この太平洋でも南東部分にあるこれも海嶺になっていますけれども、ここも発散している場所、すなわち地下から大量のマグマが吹き出してきて、両側に分れて動いていくというパターンになります。
収束するパターンのところでは陸と陸がぶつかる。例えば、インド大陸がユーラシアプレートにぶつかっているところでは、非常に大きな隆起(エベレスト山脈)が生まれてくるというパターンです。そしてインド大陸の衝突に伴ってチベット高原から北東の方に伸びていく地震帯。衝突によって形成された割れ目のところに沿って、バイカル湖が存在している。
アフリカプレートとアラビアプレートが裂け、海水がたまった紅海も、同じように割れつつあるところということになります。
日本列島で起こる地震については、
①海の方のプレートが陸の方のプレートに沈み込んでいる、その境界で起こるプレート境界の地震。
②海の方のプレートの中で、地震が起こります。日本の直下で起こる海の方のプレートの先端の方で起こる地震は、これはかなり深いところで起こるわけです。
③絶えず海のプレートが陸のプレートを押している部分では、活断層に伴う地震が起こるということで、代表的な例がそれぞれのところに描かれています。
今回の能登半島地震も、基本的には陸の方のプレートで活断層によって起こった地震ということになります。
これは特にその地震の中でもマグニチュード7.0以上ですね。その地震の震央を赤で示してあります。緑は2011年時点の世界の原発222箇所が緑で示されているところです。
赤と緑が重なるところが地震と原発との関係を端的に表していて、日本列島は地震が多発するところに原発を作ってるということを示しています。
2011年のアメリカ原子力学会で、マークリードという人が原発の地震リスクというのを統計的に表しました。彼が日本の原発は、これほどリスクの高いところということで、影響の受けやすさをグラフにしたわけですけど、この日本の中で、太平洋側に分布している女川原発が最も危険だ。そしてその時点においては福島第一原発は、5番目から6番目に当たっています。
この時点で既に女川原発はその時の基準震動想定値を3回も超えていた。そういうことを経験してきた原発だということで、1位になっているということになります。今回また地震が起こった台湾も、かなりリスクが高いところということに なります。
こちらの方は日本列島全体で、太平洋側・日本海側、そして列島内部にある断層の分布と、黒い丸で示されているのが原発の立地するところです。青森県の下北半島は、原発だけではなくていくつかの原子力関係の事業所が集中しています。この地域を含めて太平洋側には宮城の女川原発、福島第1・第2 それから茨城、浜岡です。浜岡の特徴を言うと、このプレート境界であるところのフィリピン海プレートとユーラシアプレート、このプレート境界ずっと 駿河湾の中の方に入ってくるので、極めて近接したところで大きな地震が起こる可能性が高い、という場所になります。震源の真上とも言われるわけです。
太平洋側、特に東北日本の場合にはこのプレート境界は少し遠いんですけど、西南日本の場合はプレート境界がかなり近接している。日本海の場合にもこれらの原発の周辺には、たくさんの断層があるということになります。
次は能登半島地震ですが、北岸の赤い丸は震央を示しています。赤い星印は志賀原発と柏崎刈羽原発。この図で活断層の図が少し薄い赤紫で線が引かれている。陸上の方は赤で引かれていますね。問題は今回の能登半島地震はこの2007年に能登半島地震を引き起した西岸の断層と、それからそれも含めてずっと北岸に沿って伸びていく断層、佐渡に近いところまで伸びているこの断層が、一つとして動いたということでマグニチュード7.6の地震が発生したということになります。これら海底や地表に描かれている断層が地震起こす一つの断層として連動するかどうか、この評価が極めて重要なんですけども、今回の能登地震はこれが連動した。翻って、ではそのすぐ東にある佐渡とそして新潟の周辺に発達しているこれらの断層が、どれとどれが連動するか、この評価が必ずしも正確に行われていないのが現状です。
陸上で言うと、赤紫の分からそして原発のすぐ東の方まで伸びているこの断層、長岡平野西縁断層帯という風に名前がつけられていますが、これは現在はもう連動するということがほぼ確実に言われていて新潟に非常に大きな影響を与えるという風に考えられてるわけですね。翻ってこの海岸地域、沖合いの部分はどうなのか。これが2007年に中越置地震を起こしたFB断層と呼ばれるものです。中越沖地震はこの断層の一部分が動いたわけですけども、問題はこの図で海底地形をよく見るとここに1つ の急傾斜帯があります。
ご承知の方多いかもしれませんが、柏崎原子力発電所の安全性に関わって、同じ技術員をされていた石橋さんやあるいは東洋大の渡辺さんたちが佐渡の海盆と呼んでいますけれども、その東の淵に断層があって、FB断層はもっと長いということで評価するべきだという指摘を長年に渡ってしてこられた。
後からまた出てきますけどもこれが断層かどうかっていうことが、非常に重要なわけで、このFB断層と佐渡海盆東縁の断層が連動するかどうか、改めて評価することが求められてるということになります。
ちなみに 海底だとか地表で、活断層として認められたものが仮に短いとしても、かつての地震が地表に痕跡を残した場合には、少なくともその断層を生じさせた地震はマグニチュード の6.9から7以上という風に今現在では言われているわけです。従って短くても地表に活断層があれば、地下では1つの大きな震源断層を構成していてこれが動きうる。これをどのように評価するかっていう点で、今なお不十分な点があるということになります。
海底だとか地表ですね、そこで活断層として認められたものが仮に短いとしても、かつての地震が地表に痕跡を残した場合には、少なくともその断層を生じさせた地震はマグニチュード の6.9から7以上という風に今現在では言われているわけです。従って短くても地表に活断層があれば、地下では1つの大きな震源断層を構成していてこれが動きうる。これをどのように評価するかっていう点で、今なお不十分な点があるということになります。
それから、能登半島地域。ここでは北西南東方向に強い力を受けて、こういう図は見慣れないと分からないと思うんですけど、応力の方向を示していて、今回比較的大きな地震を引き起こしたポイントが、少し大きく書かれています。
1月1日16時10分に発生したのが、このポイントです。これも含めまして、これらの図の中で応力を示しているものを見ると、北西方向に強い力を受けていて、これによって逆断層として、こちら側が能登半島の南東側、こちら側が北西側という形になってのし上がる形で活動したということになります。
震源の分布についてはたくさん報告が出ていますが、今なお解析中という部分ももちろんあります。
当初想定されていたいくつかの地下を含めた断層ですね、この太い部分は海底、あるいはこの部分であれば地表ですけども、そこに断層として認められる部分そしてそれが地下にどのように、あるいは海底下にどのようにもぐり込んでいるかということで、この断層を例にとれば、地下の海底下の南東の方に傾斜している。これもそういうことになります。
一方この北東側の部分はこの海底に現れているのはこちら側で、そして深い方はこちらに傾斜してるということで、北西に傾斜している。今回はこれらの部分が少しずつ時間をずらしながら一挙に動いたということになります。それでマグにチュード7.6という、内陸の地震の中でも巨大な地震として、定義からいくと大地震なんです。大きな地震が起こったということになります。
こちらの方はそういうものがどのように想定されていたかという図ですね。2011年の東北地方太平洋沖地震の後あの津波ですね、日本海ではどうなんだろうということで「日本海における大規模地震に関する調査検討会」というものが設置されて、そして報告書が国土地理院から出されています。それぞれ、こういう断層の名前をつけて、どれが大きな地震を引き起こし得るか、津波が来るかっていうことを検討したわけです。
Fの43っていうのが今回の能登半島地震を引き起こしたものです。これでは7.6ということが想定されていた。これがたまたまピタっと当たったっていうことになりますね。
ご覧のように日本海東縁それからそれは西南日本の鳥取、島根の沖合いにも大きな地震を引き起こす断層は連なっている。それぞれマグニチュードはどれくらいかという想定もここに書かれています。
問題はこれらどこで断層があり、そして津波が起こるかっていうことは想定されていたんだけども、右の方は日本列島において今後30年間の間に震度6弱以上で襲う確率を描いた図です。ところがこちらの方の図には、これ2020年に1番新しいんですけども、2020年に整理されたこの確率分布の図では、日本海能登半島含めて、いくつかの、特に西南日本もそうですが、低く評価されているということなんです。
実は日本における防災対策は、この図がかなり基本になってるんですけど、確率が高いところは実はこれ内陸に認められる地表に認められる断層あるいは太平洋岸のプレート間境界による地震の評価なんです。左のような想定がされていても、まだそれはこの右の図には反映されていなかった、ということになります。
というのは海域の断層は地表の断層とは違って、過去にどのぐらいの頻度でどれぐらいの規模の地震が起こったかが、実はまだ分からないんです、海域の断層の場合。すなわちいつ頃どのような規模の地震が起こったかが分からないので、ここに反映できないんです。かつての履歴が分からないということなんですね。海域の断層の調査の難しさ。陸域であればその断層に沿ってその大きな溝を掘って、トレンチと言いますけどもそれを掘って断層を観察をして、それのずれの量であるとかいつ頃動いたっていうことが解明できるんですけど、海域の場合はそれができない。まだできる水準に達していないということで、今の時点で確率分布としてはこういう図しかないということです。これが現状です。
柏崎刈羽原発について言うと、左側の図は、特に兵庫県南部地震の後、広く言われるようになってきた新潟から紫で書かれてるところですね。新潟から神戸に至るひずみの集中帯がある。それから日本海東縁、少し薄いオレンジで囲まれてるところですけども、日本海東縁ひずみ集中帯っていうものがある。こういうところで地震が多発するという風に考えられているわけですね。この赤丸の部分は特にその地震が起こるという風に考えられる場所になります。問題は柏崎刈羽原発はこの両方が重なってる場所だということになります。
先ほども触れましたこちらの方の図は、文部科学省の下に東京大学だとかそういうところが中心になって「地震と津波の調査プロジェクト」が設置されて、調査を令和2年度までやってるんですけども、その成果の一部分です。
東京電力が想定をしているこの断層はFB断層。それに対してこの図では、この推定も含めてですけども、先ほど述べました佐渡海盆東縁断層がズーッと伸びている。これがもし動けば、活動すれば、当然ながらマグニチュード7を超える大きな地震になるという風に推定されるんですけども、東京電力やあるいは規制委員会はこういうものの存在を認めていないという状況にあるんです。これを審査のプロセスで無視をして東京電力の柏崎刈羽原発は基準に適合しているということでゴーサインを出したということになります。
県の技術委員会の委員でもあった石橋さんが特に強調されていたのは、中越沖地震を起こしたFB断層からこちらの方は2004年に起こった中越地震、その時の震央、これはいろんな要素を含んだ図になってるんですけども、震央をプロットしてみると明らかに佐渡海盆東縁断層に沿って地震が発生しているということが分かる図になっています。これ震央分布ですね。従って本来新しい安全性を求める基準地震動のためには全部連動するという可能性を検討した上で議論するべきなんですけども、その部分を東電あるいは規制委員会は怠ってるというか、恣意的に無視してると言えるんでしょうかね。
これが特に連動性はさらに検討しなければならないという根拠です。
次にこの地域の特に上下変動です。この真ん中の図の書き方は私からすると問題だと思うんですけども、これはもちろん地震の後起こった、例えば石川のH01ですね(真ん中の図の一番上)。この ポイントを起点にしてこれだけ隆起した。図の一番下のJMAEの10は左図の西の方になってますが、ここでの隆起もここ(図の左の方)を起点にしてこれだけ隆起したっていうことです。
従って縦軸にこういう数値を入れちゃうとなんか元々高かったような気になるんですが、そういうものではなくて、この図自身はそれぞれのポイントが、ある起点からどれだけ隆起したかってことを示してる図なんです。本当は横に並べればいいのかもしれません。それから右の方の図は、震源がどのように進行していったか、すなわち破壊がどのように進行していったかということで、こちらの方は西の方のセグメント1と2ということになっていますけども、この赤で囲まれたとこです。セグメント3と4っていうのが右の方の特に青で囲まれたということになります。中心部分で最初に起こったものが次にずっと西の方に行くのと東の方に行くのとということで、その破壊がどのように進行していったかっていうことがこの図で見て取れます。西の方で特に隆起が大きくなりました。JMAEの2m近いですかね、隆起をして、ずれ動いた量ということになるんですけど、そういうことが見て取れる図です
最初に私がこの今回の地震の振動分布を見て、え?という風に思ったのは、この震央からかなり離れているにも関わらず、この長岡のところで6弱、そして沿岸各地で5強の震度が観測されたという事実です。
なぜこの新潟の海岸に沿って大きな地震動、佐渡ももちろん5強になってますけども、地震動が伝わったのか。私から言わせると、人々が生活する上での基盤としての大地の動きと地震との関係でいくと、地震波は発生したところからどのようにして伝わっていって大きな揺れをもたらすのかっていうことが、解析が必要だとと思っています。すでに新潟は特に中越地域から新潟市にかけて、非常に揺れやすい場所だということは言われていたんですけども、その揺れやすさを生み出しているのは、これらの地域の地下の構造ということになるんですけども、それと地震の伝わり方との関係をより正確に明らかにしていくことが、人々の命・暮らしを守る上で大変重要だという風に改めて思った次第です。
各地の揺れの中で、能登半島地震で強振動観測点での最大加速度。観測点の名前としては、富来(とぎ)。2828ガルだったんです。しかし富来っていう観測点は今は実は志賀町に入っているんです、合併でね。で富来にももう1つ、また志賀にも観測点があります。この富来と志賀の間に実は北陸電力(志賀原発)は位置します。北陸電力の今回の報告では1号機の基礎盤の上で地震計の記録は399.3ガルだった。これがちょっと理解できないというか、こちらの方は、実際にどの深さにこの地震計を設置していたかという問題はもちろんあるわけです。こちらの方はここであるように1 号機、埋めていますのでちょっと深いところにあります。もう1つ、開放基盤は-10mという風に、そこに少し硬い岩盤があるということで設定してるんですね。ここで想定されていたのが600ガルでした。開放基盤でね。600ガルというので基準地震動を設けていたんですけども、1号機の基礎盤では今回は399。これが本当かどうか、実はこの開放基盤での値をきっちり出さないと分からないところでもあるんですけども、この部分が未だにデータとしては出てこない、解析果が出てこないというのが現実です。
観測点富来は2つあるんですけども、このいずれもかなり大きな加速度を蒙ってるということですね。志賀の方も実は800を超えてるということなので、その間にある志賀原発が399ガルってのはちょっと正しいかどうか、私は疑問に思ってるというところです。
今ほど触れました北陸電力が規制委員会に報告した「地震と津波のデータ概要」ですね。最大加速度は399.3ガルというように書かれています。これは 震度5強という風になっています。被害の中でも非常に重要なのは外部電源。この5系統中の2系統で損傷して、電源が外部から取れなかった。予備並びに非常用電源に切り替えた。それから油漏れ。こういうものについては色々メディアでも取り上げられているので、ご承知の方が多いかと思います。後からまた触れられるかもしれません。
ここでは志賀原発1号機と2号機、それぞれ基準地震動に基づくところの 1号機の基礎盤における応答スペクトルと言われる非常に難しい話なんですけども、地震計で得られた地震波形ですね、これを元にして解析して、実際に記録からどれぐらいの揺れがそれぞれの周期で得られるかっていうことを解析したのが黒い実線。そして基準地震動に基づいて推定される応答スペクトルの各周期ごとの値を連ねたのが点線です。今回問題になったのはこういう水平方向、特に東西、ここでの揺れで一部分、推定されていた応答スペクトルを上回ったという、1号機も2号機もですね。こういうことが報告されたということで、それがどのような損傷をもらしたかっていうことが問題になるわけです。
ちなみに上の表は福島第1原発ですね。1号機から6号機まであります。東北地方を太平洋沖地震が襲った揺れの大きさです。これは最大加速度が書かれています。右の方は推定されていたものですね。基準地震動に基づいて推定されていたもの。このオレンジで補色している部分は、推定値よりも実際に襲った地震が大きかったということなんですね。
さらに重要なのは柏崎刈羽原発です。2007年の中越沖地震、この時は1号機から7号機まで、全ての号機で、その当時推定されていたこの基準地震動に相当する最大応答加速度、これがここに括弧で書かれています。それをはるかに上回る、しかも全ての 周期でもって上回って、中越沖地震に襲われた。特に東西方向で言えば、680ガル、606ガルですね。こういう揺れが襲った。これは東北地方太平洋沖地震による福島の第一原発よりもより大きな揺れであったということです。延直方向、垂直ですね、この方向の揺れも中越沖の方が大きかったということがこの表から見て取れると思います。それだけ本当に、中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災も、非常にギリギリのところだったということですね。福島と同じようなことが起こっててもおかしくなかったということになります。
もちろんそのことを元にしてですね、何とか再稼働したい東京電力としては、なぜこんな大きな揺れに見舞われたかということを解析するんですけども、海の方でそれまでに起こってきたいくつかの地震と内陸の方で起こってきた地震、当然敷地の中には地震計が設置されていますので、それで海域の方の地震と陸域の方の地震を比較検討して、地下の構造はどうなってるかっていうことを明らかにしてきました。
その結果、こういう形で整理されました。3つの要因がある。1つ は 推定されていた震源での、例えば今回の能登半島地震で言えばマグニチュード7.6 っていうものですね。これがやっぱり甘いと自ら認めているっていうことになります。1.5倍程度想定よりも大きかった。例えば7.6という風に推定したら 1.5倍ってのは多分8を超えるんじゃないでしょうか。それから要因の2番目。これは硬い岩盤、地下の岩盤ですね。これが海の方にやや傾いている。深部地盤における不整形性、こういう表現をすること自身がまあ非常に難しいんですけども、この地下の硬い岩盤が海の方に向かって傾斜している影響で、2倍程度大きく揺れる。
そして3つ目がこの敷地の直下にある厚い新しい時代の地層です。図の下部の茶色部分が岩盤で、その上に楕円が書かれている部分が新世代層。この部分が色々横からの圧力を受けて褶曲している。その影響で、1号機で680だとか600ガルだとかいうのを観測した部分はゆれを2倍ぐらいに増幅する。5号機の方は1倍程度ということで大きく差が出る、という風に解析をしたわけです。
こういう解析が、地震の伝わり方を考える上で非常に重要なポイントだということを示してはいます。これが正しいかどうかはまた別なんですけどね。
現在、この震源特性で1.5倍にしなければいけないという教訓を生かしてはいます。ただ他のところでは、この基盤の不整形であるとか新世代層の褶曲の影響はどうなのかいうようなことは一切検討されていないというのが現状です。先ほど見ました断層の連動の問題や地下構造の解析、こういう点で現在の原発の安全性に関する審査はまだまだ不十分だという風に私は思っています。
<志賀原発差止訴訟原告から>
<女川原発差止訴訟原告から>
<伊方原発差止訴訟原告から>
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